お礼の挨拶状

相手からお祝いの品物を受け取った際などには、お礼の挨拶状を送ることがマナーです。では、お礼の挨拶状はどのように作成すれば良いのでしょうか?

今回は、お礼の挨拶状のマナーを解説するとともに、シーン別の例文を紹介します。

お礼の挨拶状とは

お礼の挨拶状とは、相手からお祝いの品やお祝いの言葉などを頂いた際に送る挨拶状です。最近では通信手段が発達しており、メールや電話などでお礼を述べることもあるかもしれません。

しかし、相手からの厚意を受け取った際には、きちんとした書状でお礼を伝えるべきでしょう。特に、ビジネスシーンではお礼の挨拶状の送付はマナーの一つであるとされています。

お礼の挨拶状はいつ送る?

お礼の挨拶状は、原則として品物を受け取ったらできるだけすぐ、遅くとも品物を受け取ってから1週間以内に送るようにしましょう。

ただし、お見舞いの品を頂いた場合のお礼状は、退院後などある程度病状が落ち着いてからで構いません。

お礼の挨拶状の基本マナー

お礼の挨拶状には、基本のマナーが存在します。次のマナーに沿った挨拶状を作成しましょう。

頭語と結語を記載する

お礼の挨拶状に限らず、挨拶状をいきなり本文から始めることは一般的ではありません。「拝啓」や「謹啓」など、頭語から書き始めましょう。

なお、「拝啓」を用いることが一般的で、目上の人へ送る場合やよりかしこまった内容である場合などには「謹啓」を使用します。

一方、文章の最後には結語を記載します。結語は使用をした頭語により使用できる表現が決まっており、頭語に「拝啓」を用いた場合には「敬具」など、頭語に「謹啓」を用いた場合には「謹言」などを使用します。

時候の挨拶を記載する

本題に入る前に、頭語に続けて時候の挨拶を記載します。時候の挨拶とは、次のような文章です。

  • 企業宛:「〇〇の候 貴社におかれましては益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます」
  • 個人宛:「〇〇の候 皆様お健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます」

この「〇〇」には、「陽春」や「初秋」など、挨拶状を送る季節に沿った文言が入ります。また、企業宛の場合には「ご盛栄」「ご隆昌」など成功を願う文言を記載し、個人宛の場合には「ご健勝」「ご清祥」など健康や幸せを願う文言を記載しましょう。

何についてのお礼状なのかを明記する

お礼の挨拶状を送る際には、何についてのお礼であるのかを明記します。具体的には、後ほど紹介する文例を参照してください。

句読点は使用しない

お礼の挨拶状に限らず、挨拶状では句読点を使用しないことがマナーであるとされています。これは、句読点が文章を区切る役割を持つことから、「縁を切る」ことを連想させてしまうためであるといわれています。

ただし、最近では読みやすさを重視して、句読点を用いた挨拶状もさほど珍しくありません。

お礼の挨拶状の文例:ビジネス編

お礼の挨拶状は、どのような文面で記せば良いのでしょうか?まずは、ビジネスシーンで送るお礼状の文例を紹介します。

開業祝いへのお礼状

開業の案内をすると、相手からお祝いの品や花などを送ってもらえることがあります。お祝いの品をもらったら、できるだけ早期にお礼状を送りましょう。

拝啓 陽春の候 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
さて、このたびは〇〇ショップの開店に際しましてご丁重なお祝いの品を賜り心より感謝いたしております
小さな店ではございますが まずは順調な出発ができましたのもひとえに皆様の温かいご支援の賜物と深く感謝申し上げます
これからはスタッフ一同気を引き締め 皆様の御期待にお応えできるべく努力してまいりたいと存じますので 何卒ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
お近くにお越しの際には ぜひともご来店頂ければ幸甚です
略儀ながらまずは書中をもってご挨拶かたがたお礼申し上げます       敬具

令和5年4月
                             〇〇ショップ   
                           代表  挨拶太郎

お中元へのお礼状

取引先などから、お中元が送られてくる場合もあるかと思います。お中元を頂いたからといって、お返しの品物を贈る必要はありません。

しかし、頂いたことへのお礼状を送ることはマナーの一つです。お中元を頂いたらできるだけ早期にお礼の挨拶状を送付しましょう。

拝啓 盛夏の候 貴社ますます御隆盛のことと心よりお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り 厚くお礼申し上げます
さて このたびは結構なお中元の品をお送り頂き 誠に有難うございます
ご芳志誠に有り難く あらためて御礼申し上げます
しばらくは厳しい暑さが続くようですので 皆様どうぞご自愛くださいませ
甚だ略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます         敬具

令和5年7月吉日
                          株式会社挨拶
                      代表取締役 挨拶太郎

お歳暮へのお礼状

取引先などからお歳暮を頂いた場合、お中元と同じくお返しは必須ではありません。ただし、頂いたらできるだけ早期にお礼状を送りましょう。

拝啓 歳末の候 貴社におかれましては益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます
さて この度は結構な品を頂戴しまして誠にありがとうございます
御社の皆様には日頃より何かとお力添えを頂き 今年一年を大過なく過ごすことができましたのも皆様のお陰と心より感謝致しております
今後とも何卒ご指導のほどよろしくお願い申し上げます
まずは取り急ぎ略儀ながら 書中をもちまして御礼申し上げます      敬具

令和4年12月
                          株式会社挨拶
                      代表取締役 挨拶太郎

移転祝いへのお礼状

事務所移転の際に、取引先などから花や品物などお祝いが贈られる場合があります。その際には、早期にお礼状を送りましょう。

拝啓 初秋の候 貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます
さて この度は弊社の事務所移転に際しご丁寧なお祝いを賜りまして誠に有り難うございました
皆様のご期待にお応えすべく社員一同一層精進して参る所存でございますので 今後とも一層のご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
甚だ略儀ではございますが 取り急ぎ書中にて御礼申し上げます   敬具

令和4年9月吉日
                               株式会社挨拶
                           代表取締役 挨拶太郎

支店開設祝いへのお礼状

支店を開設した場合、取引先などから開設祝いの花や品物が贈られる場合があります。この場合には、できるだけ早期にお礼状を送りましょう。

拝啓 菊花の候 貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます
さて このたびの弊社大阪支店の開設に際しましては誠にご丁寧なご祝詞を賜り 誠に有り難く心より御礼申し上げます
当社が大阪に支店をもつことができましたのは ひとえに皆様方のご支援の賜物と深く感謝致しております
今後も皆様のご指導を仰ぎ社員一同いっそうの努力を致す所存でございますので 何卒今後とも倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
甚だ略儀ではございますが まずは書中をもちまして御礼申し上げます

令和4年10月吉日
                               株式会社挨拶
                           代表取締役 挨拶太郎

お礼の挨拶状の文例:個人編

上司や同僚、お世話になっている相手などから、個人に対してお祝いが贈られる場合があります。その場合におけるお礼の挨拶状の例文は、それぞれ次のとおりです。

結婚祝いへのお礼状

結婚のお祝いを受け取ったら、内祝いとともにお礼の挨拶状を送りましょう。お礼状の文例は、次のとおりです。

謹啓 梅雨明けの空がすがすがしい季節となりました 
佐藤様におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます
先日は私達の結婚に際して温かいお心配りを頂戴し 誠にありがとうございました

ささやかではございますが内祝いのしるしに 心ばかりの品をお贈りいたしますのでご笑納いただけますと幸いです
新生活にはまだ慣れませんが 二人で力を合わせて頑張りますので 是非新居にも遊びにいらしてくださいませ
未熟な二人ではございますが 今後とも変わらぬご支援のほど宜しくお願いいたします
末筆ながら 佐藤様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます    謹言

令和5年6月吉日
                        挨拶 太郎
                           花子(旧姓 田中)

出産祝いへのお礼状

出産祝いの品を受け取ったら、内祝いとともにお礼状を送りましょう。お礼の挨拶状では、子供の名前などを知らせることが一般的です。

拝啓 吹く風にゆく夏の気配を感じる今日このごろ 山田様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます
このたびは長女誕生に際しご丁寧なお祝いをいただきまして 誠にありがとうございました
おかげさまで母子ともに健康に過ごしております
〇〇にちなみ 長女は「花子」と名付けました
今後は夫婦2人で力を合わせ育児に励んで参りますので 引き続きご指導のほどよろしくお願い申し上げます
ささやかではありますがお礼のしるしとして内祝いの品をお贈りさせて頂きましたので ご笑納頂ければ幸いです
残暑なお厳しき折柄 くれぐれもご自愛下さいませ  敬具

令和4年8月
                           挨拶 太郎
                              花子

                      

新築祝いへのお礼状

新築祝いの品物をもらったら、内祝いとともにお礼状を送りましょう。近くへ来たら立ち寄ってほしい旨の文言を記載することが一般的です。

拝啓 木々の緑が目にまぶしい今日このごろ 鈴木様におかれましてはますますお元気でお過ごしのことと存じます
このたびは拙宅新築に際し ご丁寧なお手紙とお祝いの品をいただきまして誠にありがとうございました
さっそくリビングへ飾らせて頂き 家族ともども大変喜んでおります
新しい環境にもようやく慣れ 片付けもようやく落ち着いたところです
近くへお越しの際には是非ともお立ち寄りくださいますよう心よりお待ち申し上げております
心ばかりですが内祝いを同封いたしますので ご笑納いただければ幸いです
まずは書中にて、御礼申し上げます     敬具 

令和5年5月吉日
                           挨拶 太郎
                              花子

お見舞いへのお礼状

お見舞いの品を受け取ったら、快気祝いとともにお礼状を送りましょう。ただし、この場合には退院後など、体調が回復してから送るので構いません。

拝啓 晩秋の候 伊藤様にはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます
この度の入院中はご多忙の中わざわざお見舞いにお越しいただき その上結構なお見舞いまで賜り誠にありがとうございました
おかげさまで快方に向かい 11月1日に無事に退院いたしました
12月1日より業務に復帰いたす所存でありますので 今後とも何卒一層のお引立てを賜りますようお願い申し上げます
つきましては心ばかりの快気祝いをお届けいたしますので どうぞお納めくださいませ
末筆ながら 伊藤様のご健康とご多幸を心からお祈りしております     敬具

令和4年11月
                            挨拶 太郎   

退職祝いへのお礼状

退職祝いの品を受け取ったら、お礼状を送りましょう。お礼の挨拶状では、品物へのお礼のみならずこれまでお世話になったことへのお礼も述べることが一般的です。

拝啓 春暖の候 山本様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます
このたびは私の退職に際し心温まるお言葉と結構なお祝いの品を頂戴いたしまして 誠にありがとうございました
在職中は皆様の温かいご指導のおかげで充実した日々を過ごすことができました 改めて御礼申し上げます
今後は山本様より賜りました多くの教えを胸に更なる飛躍を目指し 決意を新たに努めてまいる所存です
どうか今後とも変わらずお付き合いをくださいますようお願い申し上げます
略儀ながら まずは書中をもちまして御礼申し上げます  敬具

令和5年3月
                            挨拶 太郎   

まとめ

相手から何らかのご厚意を頂いたら、できるだけ早期にお礼の挨拶状を送ることがマナーです。より良い関係を築いていくため、ぜひ挨拶状を活用しましょう。

しかし、日頃から挨拶状に親しんでいなければ、どのような文面で送れば良いのか迷ってしまうことも少なくないでしょう。そこで、当サイト「挨拶状印刷.jp」では、シーンに合わせた挨拶状のテンプレートを数多く用意しています。

テンプレートを活用頂くことで、マナーに沿った挨拶状を簡単に作成頂くことが可能です。お礼の挨拶状を送る際には、ぜひ挨拶状印刷.jpをご利用ください。