会社を清算したり廃業、閉店などをしたりする際には、これまでお世話になった取引先などに挨拶状を送ることをおすすめします。
では、会社清算や廃業などの挨拶状には、何をどのように記載すればよいのでしょうか？また、会社清算や廃業などの挨拶状を作成する際は、どのような点に注意すればよいのでしょうか？今回は、会社清算や廃業を知らせる挨拶状の基本を解説するとともに、シーン別の文例も紹介します。
当サイト「挨拶状印刷.jp」では挨拶状のテンプレートを数多く用意しており、シーンに合った挨拶状を簡単に作成できます。会社清算や廃業の挨拶状の作成をご検討の際は、ぜひ挨拶状印刷.jpをご活用ください。
会社清算・廃業の挨拶状とは
会社清算や廃業の挨拶状とは、会社を清算することや廃業することを、これまでお世話になった相手に知らせる挨拶状です。
会社清算や廃業の挨拶状を送ることは、必須ではありません。しかし、挨拶状を送ることで会社や事業を畳むことが相手に伝わり、相手方が早い段階から代わりの取引先を探しやすくなります。
また、これまでの感謝の想いが伝わりやすくなるため縁が途切れづらくなり、今後自身が事業を再開したり家族が事業を始めたりする際に、再度取引が再開できる可能性も生じるでしょう。
会社清算・廃業の挨拶状の基本
会社清算や廃業の挨拶状は、いつ誰に送ればよいのでしょうか？ここでは、基本のマナーを解説します。
誰に送る？
会社清算や廃業の挨拶状は、これまでお世話になった取引先や顧客などに送るとよいでしょう。特に、現在も定期的に取引のある相手への挨拶状の送付は、必須といえます。
挨拶状を送ることなく突然事業を畳んでしまうと、相手が代わりの取引先を探すのに苦労をして迷惑をかけることとなるおそれがあるためです。
いつ送る？
会社清算や廃業の挨拶状は、遅くとも会社清算や廃業の1ヶ月前頃には相手に届くように手配しましょう。特に、現在も継続的な取引がある相手には、早期に会社清算などを知らせておくことをおすすめします。
会社清算や廃業が決まった時点で早めに挨拶状を送ることで、相手方が新たな取引先を探す準備を始めることが可能となるためです。
会社清算・廃業の挨拶状の基本構成
挨拶状の作成に慣れていない場合、何をどのように記載すべきか迷ってしまうことでしょう。しかし、挨拶状にはある程度決まった構成があり、これを押さえれば難しいものではありません。ここでは、会社清算や廃業の挨拶状の基本構成を解説します。
- 頭語
- 時候の挨拶
- 安否の挨拶
- 会社清算や廃業をすることとなった旨
- これまでお世話になったことへのお礼
- 結びの挨拶
- 結語
頭語
はじめに、頭語を記載します。頭語とは、挨拶状の最初に記載する定型的なフレーズです。
頭語には多くの種類があるものの、会社清算や廃業の挨拶状では「拝啓」または「謹啓」を使うことがほとんどです。「拝啓」でも丁寧である一方で、「謹啓」を利用することでよりかしこまった印象となります。
時候の挨拶
続けて、時候の挨拶を記載します。時候の挨拶とは、挨拶状に季節感を添える表現です。
プライベートでは「桜の頃となりましたが」など口語調の表現が使用されることが多い一方で、ビジネスシーンで送る挨拶状では「桜花の候」など漢語調の表現がよく使用されます。適切な時候の挨拶は挨拶状を送る時期によって異なるため、それぞれの時期に合った表現を覚えておくとよいでしょう。
なお、季節を問わずに使用できる「時下」という表現も、よく用いられます。この場合には、次の安否の挨拶とつなげて、「時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」などと記載します。
安否の挨拶
時候の挨拶に続けて、安否の挨拶を記載します。たとえば、「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」や「皆様ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などがこれにあたります。
相手が事業者である場合には、「ご清栄」や「ご盛栄」、「ご隆盛」など、ビジネスが成功していることを意味する文言とすることが一般的です。一方で、相手が個人である場合には健康を意味する「ご健勝」や、幸せに暮らすことを意味する「ご清祥」などが使用されます。
会社清算や廃業をすることとなった旨
ここから、本題に入ります。本題では、会社清算や廃業をする旨を簡潔に記載します。併せて、廃業日も記載しましょう。
これまでお世話になったことへのお礼
続けて、これまでお世話になったお礼を記載します。併せて、突然の会社清算によって迷惑をかける旨を詫びる文言を記載することも少なくありません。
結びの挨拶
最後に、結びの挨拶を記載します。
ここでは、相手のさらなる発展や健康などを願う内容とともに、書中での挨拶を詫びる内容を記載するとよいでしょう。たとえば、「皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたしまして 略儀ながら書中にて廃業のご挨拶とさせていただきます」などです。
結語
挨拶状の最後に、結語を記載します。結語とは挨拶状の最後に記載する定型的なフレーズであり、頭語とセットで使用するものです。
使用できる結語は使用した頭語によって異なります。代表的な組み合わせは、次のとおりです。
| 頭語 | 結語 |
|---|---|
| 拝啓 | 敬具、敬白など |
| 謹啓 | 謹白、謹言など |
組み合わせを誤るとちぐはぐな印象となってしまうため、頭語と結語の組み合わせを誤らないよう注意しましょう。
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会社清算・廃業の挨拶状の文例
会社清算や廃業の挨拶状は、どのような内容で作成すればよいのでしょうか？ここでは、会社清算や廃業の挨拶状の文例を4つ紹介します。
会社を清算する場合の文例
会社を清算することを取引先に知らせる挨拶状の文例は、次のとおりです。
謹啓 桜花の候 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り深く感謝申し上げます
さて 弊社は創業以来〇〇年にわたり皆様のご厚情を賜り今日まで営業を続けて参りましたが
諸般の事情により 来る〇月〇日をもちまして営業を停止し会社を清算する運びとなりました
弊社にお寄せいただいたご厚誼に心より感謝申し上げますとともに 突然のご連絡によりご迷惑をお掛けすることを心よりお詫び申し上げます
本来であれば拝眉のうえご挨拶申し上げるべきところですが 略儀ながら書中をもちまして廃業のご挨拶を申し上げます 謹 言
会社を清算する場合、事業が立ち行かなくなったなどの事情があることも多いでしょう。挨拶状では会社清算に至った詳細な事情までは触れず、「諸般の事情により」などと濁すことが一般的です。
閉店する場合の文例
店舗の閉店を顧客に知らせる挨拶状の例文は、次のとおりです。
拝啓 陽春の候 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
さて 突然ではございますが開店以来〇〇年間にわたりお引き立ていただきました「〇〇〇〇店」を 来る〇月〇日をもちまして閉店いたすことと相成りました
皆様の温かいご支援をいただく中での苦渋の選択となりましたこと 何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます
長年のご愛顧に心より感謝申し上げますとともに 皆様のますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます
略儀ながら 書面にてご挨拶申し上げます 敬 具
これまで店舗を利用いただいたことへのお礼のほか、苦渋の決断として閉店に至ったことを伝える内容にするとよいでしょう。
健康上の理由であることを記載する文例
健康上の理由で閉店することを取引先などに伝える挨拶状の例文は、次のとおりです。
謹啓 盛夏の候 ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
さて 誠に急なことではございますが このたび健康上の理由により〇月〇日をもちまして「〇〇〇〇店」を閉店することと相成りました
皆様からの長年にわたるご支援に深く感謝申し上げるとともに 突然のお知らせとなりましたこと心よりお詫び申し上げます
末筆ではございますが 皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたしまして 略儀ながら書中にて閉店のご挨拶とさせていただきます 謹 白
健康上の理由などから閉店に至る場合には、その旨を挨拶状に記載する場合もあります。この場合には、これまでのお礼や突然のお知らせとなったことへのお詫びなどを記載するとよいでしょう。
閉店セールをする場合の文例
廃業や閉店に伴い、閉店セールを行う場合もあります。閉店のお知らせと併せて閉店セールのお知らせをする場合の挨拶状の例文は、次のとおりです。
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
さて 突然ではございますが 開店以来〇〇年間にわたりお引き立ていただきました「〇〇〇〇店」を 諸般の事情により閉店いたすことと相成りました
つきましては これまでのご愛顧への感謝の気持ちを込めまして〇月〇日から〇月〇日までの期間 閉店セールを開催いたします
このセールの終了をもちまして業務終了となりますので 皆様お誘いあわせの上ぜひご来店くださいませ
スタッフ一同 皆様のご来店を心よりお待ちしております 敬 具
小売店の場合には、閉店に伴ってセールを実施する場合もあるでしょう。その場合には、閉店のお知らせと併せてセールの案内をすると、最後に顧客が来店してくれる可能性が高くなります。
会社清算・廃業の挨拶状作成のポイント
会社清算や廃業の挨拶状を作成する際は、どのような点に注意すればよいのでしょうか？最後に、挨拶状を作成するポイントを3つ解説します。
- 誤字脱字をしない
- 廃業の理由は簡潔に記載するに留める
- 早めに送付する
誤字脱字をしない
会社清算や廃業の挨拶状では、誤字脱字をしないよう注意しましょう。文案を印刷し、複数回にわたってチェックをすると誤字脱字を避けやすくなります。
なかでも、相手の氏名や社名などの誤りは大変失礼な行為であるため、特に注意して確認することをおすすめします。
廃業の理由は簡潔に記載するに留める
会社清算や廃業に至るには、さまざまな事情があることでしょう。しかし、挨拶状では会社清算に至った詳細な事情までを記す必要はありません。
たとえ事実であっても、「不況のあおりを受けて売り上げが激減し、資金繰りが立ち行かなくなり……」などと記載してしまうと、取引先に気を遣わせてしまうおそれがあります。そのため、「一身上の都合により」や「諸般の都合により」などの表記に留めることが一般的です。
ただし、健康上の理由による場合や、事業の根幹を担っていた者の逝去による場合などには、その旨を挨拶状に記載する場合もあります。その場合であってもあまり長く記載せず、簡潔な記載に留めましょう。
早めに送付する
会社清算や廃業の挨拶状は、早めに送付しましょう。挨拶状の送付が遅れると、取引先などに迷惑がかかるおそれがあるためです。先ほど解説したように、営業を停止する1ヶ月前までに送るのが1つの目安となります。
しかし、会社清算や廃業の前にはやるべきことが多く、挨拶状の作成にまで手が回らないことも少なくないことでしょう。その際は、当サイト「挨拶状印刷.jp」をご活用ください。
当サイトでは挨拶状のテンプレートを数多く用意しているため、マナーに即した挨拶状を簡単に作成できます。また、オプションで、宛名印刷や投函代行も可能です。
まとめ
会社清算や廃業の挨拶状について、基本構成や作成のポイントを開設するとともに、シーン別の例文を紹介しました。
会社の清算や廃業、閉店などが決まったら、取引先や顧客などに挨拶状を送りましょう。早期に挨拶状を送ることで取引先などが新たな取引先を見つける準備期間を確保しやすくなるほか、会社清算によって縁が途切れづらくなるためです。
しかし、会社清算などの前にはやるべきことも多く、挨拶状の文面を検討する時間がとれない場合も多いでしょう。そのような際は、テンプレートの活用がおすすめです。
挨拶状印刷.jpはシーンに合わせた挨拶状のテンプレートを数多く用意しており、簡単な操作で文面の変更も可能です。少ない労力でマナーに即した挨拶状を作成したい際は、ぜひ挨拶状印刷.jpをご活用ください。
