実習のお礼状の時候の挨拶

保育実習や病院実習、教育実習などで受け入れてもらった際には、後日お礼状を送ると丁寧です。

では、これら実習のお礼状は、どのように書けば良いのでしょうか?また、お礼状に添えるべき時候の挨拶は、どのような表現が適切なのでしょうか?

今回は、保育実習など実習の後で送るお礼状の書き方を解説するとともに、季節に合った時候の挨拶やお礼状の文例を紹介します。

実習のお礼状とは

実習のお礼状とは、保育実習や教育実習、病院実習などで受け入れてもらった保育園や学校、病院などに対して、お礼を伝える挨拶状です。

実習を受け入れるにあたって、受け入れ先は時間を割いていろいろと準備をしたり業務を教えてくれたりしています。また、今後その業界で働くことを希望しているのであれば、実習を受け入れてもらった先と今後もお付き合いが続く可能性があるでしょう。

そのため、感謝の想いを伝えるため、お礼状を送ると良いでしょう。

実習のお礼状を送るタイミング

実習のお礼状を送る時期に、明確な期限があるわけではありません。

ただし、実習のお礼を伝えるものであることから、できるだけ早く送ることをおすすめします。目安としては、実習の終了後おおむね2週間以内くらいには届くように送るとよいでしょう。

なお、実習でのレポートを提出する必要がある場合、タイミングが合うのであれば、レポートなどとともに挨拶状を送っても構いません。

実習のお礼状の基本の書き方

実習のお礼状の基本の書き方は、次のとおりです。お礼状の文例を下に掲載しますので、文例と照らし合わせながらご覧いただくとわかりやすいでしょう。

書き方

・頭語を記載する
・時候の挨拶を記載する
・実習についてのお礼を記載する
・実習の感想を記載する
・結びの挨拶を記載する
・結語を記載する

頭語を記載する

お礼状などの挨拶状は、頭語から書き始めましょう。頭語とは、挨拶状の始めに記載する「拝啓」などの文言です。実習のお礼状においても、「拝啓」を使用すれば問題ありません。

ただし、よりかしこまった印象を与えたいのであれば、「謹啓」を使用しても良いでしょう。

時候の挨拶を記載する

頭語に続けて、時候の挨拶を記載しましょう。時候の挨拶とは、挨拶状に季節感を添える表現です。実習のお礼状に合った時候の挨拶の例は、後ほどくわしく紹介します。

時候の挨拶に続けて、「貴園におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」や「〇〇病院の皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」など、相手の発展や健康、幸せを願う文言を記載しましょう。

なお、個人向けと団体向けの表現は、それぞれ次のとおりです。

  • 個人向け:「ご健勝」「ご清祥」など
  • 団体向け:「ご清栄」「ご発展」「ご隆昌」など

送る相手に合わせて、適切な表現を心がけましょう。

実習についてのお礼を記載する

本文ではまず、実習を受け入れてもらったことへのお礼を記載しましょう。「このたびはお忙しい中実習を受け入れてくださり、誠にありがとうございました。」などです。

実習の感想を記載する

お礼に続けて、実習の感想を記載しましょう。ここは例文をそのまま記載するのではなく、実際に自分が実習を通して感じたことや実習中の具体的なエピソードや学びなどを、自分の言葉で記載してください。

ただし、全体的に前向きな内容とすると良いでしょう。

そのうえで、今後実習に関連した職業に就きたいと考えているのであれば、その想いを率直に記載することをおすすめします。「〇〇先生のような子どもたちから慕われる保育士になりたいと感じました」などです。

併せて、今後その目標に向けて努力していく決意を記載すると、より好印象なお礼状となるでしょう。

結びの挨拶を記載する

本文の最後に、結びの挨拶を記載します。

たとえば、「末筆ながら 皆様のご健康と〇〇中学校のますますの発展をお祈り申し上げます」などです。相手の健康や幸せ、実習先の発展などを願う文言を入れると良いでしょう。

結語を記載する

結語とは、本文の末尾に記載する「敬具」などのフレーズです。使用することができる結語は使用した頭語によって決まりますので、組み合わせを覚えてきましょう。

頭語が「拝啓」であれば適切な結語は「敬具」などです。一方、拝啓が「謹啓」であれば、結語は「謹言」や「謹白」などとなります。

実習のお礼状の文例

実習のお礼状の文例は、次のとおりです。ただし、あまり形式にとらわれず、特に本文については、自分が実際に実習で学んだことや感じたことなどについて自分の言葉で記載することをおすすめします。

保育実習のお礼状文例

保育実習でお世話になった園へ送るお礼状の文例は、次のとおりです。なお、保育実習のお礼状は園長先生に宛てて送ることが多いため、ここではその前提の文例を掲載します。

拝啓 春光うららかな今日この頃、貴園におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびはお忙しい中保育実習を受け入れてくださり、誠にありがとうございました。
分からないことが多く実習中は至らない点ばかりでしたが、先生方から心のこもった温かいご指導をいただき、保育士として働くイメージがより具体的なものとなりました。

(具体的なエピソードを記載する)

貴園での実習で学んだことを活かし、貴園の先生方のような立派な保育士となることができるよう精進して参る所存です。
改めまして、このたびは保育実習という貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。
末筆ながら、貴園のさらなるご発展と皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。 敬 具

令和5年4月
                      挨拶大学保育学科〇年
                              挨 拶 花 子

具体的なエピソードとしては、実習中特に学びを得た内容や実際に子どもたちの保育に携わった感想などを、自分の言葉で記載しましょう。

教育実習のお礼状文例

教育実習のお礼状は、学校責任者である校長先生に送る場合の他、指導を担当してくれた教諭や生徒たちへ送る場合などがあります。

中でも、指導を担当してくれた教諭へ送る場合が多いため、ここではその前提の文例を掲載します。

拝啓 気持ちのいい秋晴れの季節を迎えましたが、〇〇中学校の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
この度はお忙しい中教育実習を受け入れてくださいまして、誠に有り難うございました。
不慣れな点ばかりで多大なご迷惑をお掛けしたにもかかわらず、〇〇先生をはじめ先生方には多くのことを学ばせて頂き、深く感謝申し上げます。

(具体的なエピソードを記載する)

この度の教育実習を通じて、教員を志す決意がいっそう強いものとなりました。
大学に戻ってからは、教員採用試験を目指し勉学に励んでおります。
〇〇先生のように生徒から慕われ信頼される教員を目指して参りますので、
これからもご指導ご鞭撻のほど、何卒お願い申し上げます。
お忙しい日々かとは存じますが、くれぐれもご自愛くださいませ。
末筆ながら 〇〇先生のご健康と〇〇中学校のますますの発展をお祈り申し上げます。 敬 具

令和5年9月
                      挨拶大学教育学部〇年
                              挨 拶 花 子

具体的なエピソードとしては、実習において特に学びとなったことや生徒と関わる中で感じた想いなどを、自分の言葉で記載しましょう。

病院実習のお礼状文例

病院実習のお礼状の文例は、次のとおりです。なお、病院実習のお礼状は、たとえば看護実習であれば看護部長など、指導してくれた方に宛てて送ることが多いでしょう。

そのため、ここでは、看護部長に宛てた文例を紹介します。

拝啓 残暑の厳しい頃ですが、〇〇病院の皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
この度はお忙しい中、〇か月にわたる看護実習の機会を頂きまして、誠にありがとうございました。
至らぬ点ばかりでご迷惑をお掛けしてしまったにもかかわらず、〇〇様をはじめ皆様には大変温かいご指導をいただき、心より感謝申し上げます。

(具体的なエピソードを記載する)

このたびの実習を通じ、看護師という職業の大変さを身に染みて感じるとともに、〇〇様のように患者様から頼りにされる看護師になりたいとの想いがいっそう強いものとなりました。
貴院にて得た貴重な体験を糧にして、立派な看護師となるべく努力して参る所存です。

改めまして、この度はお忙しい中実習を受け入れてくださり、誠にありがとうございました。
末筆ながら、〇〇様と皆様のご活躍とご健勝を心よりお祈り申し上げます。 敬 具

令和5年8月
                      挨拶看護短期大学〇年
                              挨 拶 花 子

具体的なエピソードとしては、患者さんと関わって感じたことや実習の中で特に学びとなったことなどを、自分の言葉で具体的に記載すると良いでしょう。

実習のお礼状に使える時候の挨拶

実習のお礼状には、先ほど記載をした文例のように、時候の挨拶を記載することが一般的です。時候の挨拶には、「春光うららかな今日この頃」など上の文例で使用した口語調のものと、「陽春の候」のように漢語調の表現が存在します。

実習のお礼状では、この口語調と漢語調のいずれを使用しても構いません。ただし、漢語調の方が格式ばったイメージでややビジネス的であることに対し、口語調のほうがやわらかく女性的な印象となります。

いずれであっても問題ありませんので、自身の与えたい印象に応じて使い分けると良い

でしょう。それぞれの季節で使える代表的な時候の挨拶は、次のとおりです。

1月の時候の挨拶

1月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 初春の候
  • 厳寒の候
  • 新春の候

一方、1月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 年が明けまだ来ぬ春が待ち遠しく感じられます
  • 松の内も過ぎ厳しい寒さが続いております
  • 新年早々ではございますが

2月の時候の挨拶

2月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 余寒の候
  • 立春の候
  • 春寒の候

一方、2月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 立春とは名ばかりで寒い日が続いております
  • 余寒厳しい毎日が続いております
  • 立春を過ぎ本格的な春の訪れが待たれるころとなりました

3月の時候の挨拶

3月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 早春の候
  • 浅春の候
  • 春暖の候

一方、3月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 寒さの中に春の気配を感じる季節となりました
  • 桜の開花が待たれるころとなりました
  • 春光うららかな今日この頃

4月の時候の挨拶

4月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 陽春の候
  • 惜春の候
  • 桜花の候

一方、4月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 桜の花のたよりが聞かれるころとなりました
  • 燕が飛来する季節となりました
  • 春もたけなわのころとなりました

5月の時候の挨拶

5月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 薫風の候
  • 新緑の候
  • 晩春の候

一方、5月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 風薫る季節となりました
  • 新緑の香りがすがすがしい今日このごろ
  • 木々の緑が目にまぶしい季節となりました

6月の時候の挨拶

6月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 入梅の候
  • 梅雨の候
  • 向暑の候

一方、6月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 長雨に紫陽花の花が濡れる季節となりました
  • 梅雨明けの空がすがすがしい頃となりました
  • 長かった梅雨があけ初夏を感じる季節となりました

7月の時候の挨拶

7月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 盛夏の候
  • 猛暑の候
  • 大暑の候

一方、7月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 暑中お見舞い申し上げます
  • 連日厳しい暑さが続いています
  • 空の青さに真夏の到来を感じます

8月の時候の挨拶

8月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 残暑の候
  • 晩夏の候
  • 立秋の候

一方、8月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 残暑お見舞い申し上げます
  • 厳しい残暑が続いております
  • 夏も終わりを告げようとしていますが

9月の時候の挨拶

9月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 初秋の候
  • 秋涼の候
  • 秋分の候

一方、9月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 朝夕はめっきりしのぎやすくなりました
  • 朝の空気に爽秋の気配が感じられるころとなりました
  • 秋桜が風に揺れる今日このごろ

10月の時候の挨拶

10月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 菊花の候
  • 紅葉の候
  • 仲秋の候

一方、10月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • さわやかな秋晴れの日が続いております
  • 菊の花が香る季節となりました
  • 秋も深まって参りました

11月の時候の挨拶

11月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 晩秋の候
  • 向寒の候
  • 深秋の候

一方、11月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 落ち葉が風に舞う今日このごろ
  • 朝晩はめっきり寒くなって参りました
  • 秋の終わりを感じる頃となりました

12月の時候の挨拶

12月に使える漢語調の時候の挨拶は、次のとおりです。

  • 師走の候
  • 歳末の候
  • 初冬の候

一方、12月に使える口語調の時候の挨拶には、次のものがあります。

  • 年末を迎えお忙しいことと存じます
  • 一年で最もあわただしい季節になりました
  • 寒さの身にしみる季節となりました

実習のお礼状を記載する際の注意点

実習のお礼状を記載する際には、次の点に注意しましょう。

注意点

・誤字脱字に注意する
・適切な敬称を使用する
・手書きでの作成が望ましい
・黒のペンや万年筆などで記載する

誤字脱字に注意する

お礼状を書く際には、誤字脱字に注意しましょう。

誤字脱字をしてしまったら、修正テープや二重線などでの訂正はマナー違反です。面倒であっても、新たな用紙で書き直しましょう。

適切な敬称を使用する

お礼状を送る際には、適切な敬称を使用しましょう。

園長先生や学校の教員宛てに送る場合には、「先生」が適切です。また、看護師長などに宛てて送る場合には、「様」を記載すると良いでしょう。

なお、「御中」という敬称もありますが、これは団体や部署全体に宛てて送る場合に使用する敬称です。たとえば、「挨拶保育園 御中」などと使用します。

挨拶保育園の中の「〇〇先生」に宛てて送る場合には「挨拶保育園 〇〇先生」が適切であり、「挨拶保育園 御中 〇〇先生」とはなりませんので、注意しましょう。

手書きでの作成が望ましい

実習のお礼状など個人的なお礼を伝える挨拶状は、可能な限り手書きで作成することが望ましいでしょう。手書きで作成をした方が感謝の想いが伝わりやすくなります。

ただし、手書きの文字に自信がない場合などには、パソコンなどで作成しても構いません。

黒のペンや万年筆などで記載する

お礼状は、黒色のペンや万年筆などで記載しましょう。色のついたペンやシャープペンシルなどでお礼状を書くことは、一般的ではありません。

まとめ

保育実習など実習を受け入れてもらった際には、実習の終了後にお礼状を送ることをおすすめします。実習のお礼状では具体的なエピソードを記載することで、より感謝の想いが伝わりやすくなるでしょう。

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