就活の挨拶状(送付状)の書き方

就活(就職活動)の際には、企業にエントリーシートなどを送る機会が生じます。このような際、エントリーシートなどの書類のみを封筒に入れて送ることは一般的ではありません。通常は、挨拶状(送付状)を添えて送ります。

しかし、書類に添える挨拶状(送付状)をどのように記載すべきかわからない学生の方も多いのではないでしょうか?今回は、就活で役立つ挨拶状の書き方についてくわしく解説します。

就活の挨拶状(送付状)とは

就活では、企業に対してエントリーシートなどの書類を送る機会が少なくありません。その際に、エントリーシートなど所定の書類のみを封筒に入れて送ることは、少し不躾な印象を与えてしまうでしょう。通常は、挨拶状(送付状)を添えて書類を送ります。

この挨拶状(送付状)がないからといって採用試験で不利となるかどうかは、その企業の考え方や応募する職種次第です。

たとえば、即戦力の事務職へ応募するにもかかわらず送付状も付けずに書類を送るようでは、マイナスイメージとなることは否めません。なぜなら、社会において、大切な相手に送付状などを添えることなく書類のみを送ることは、ほとんどないためです。

就活で不利となるかどうかにかかわらず、書類に添える挨拶状の書き方は知っておいた方が良いでしょう。

就活の挨拶状(送付状)の例文

就活で、エントリーシートなどを送る際に添える挨拶状(送付状)の例文は、次のとおりです。

                             令和4年5月15日

挨拶状印刷株式会社
人事総務部 御中

                    あいさつ大学 〇〇学部 〇〇学科
                               印刷 太郎
                                           住所:〒123-4567
                      東京都〇〇区〇〇1丁目1番地1号
                           〇〇アパート101号室
                           携帯電話:080-XXXX-XXXX
                                                                    Eメールアドレス:〇〇@sample.co.jp

                                             選考応募書類送付の件

拝啓 新緑の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
この度、貴社の新卒採用に応募させていただきたく、下記の書類をお送り致します。
ぜひご検討頂き、面接の機会をいただけますと幸甚です。
ご多用中誠に恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。 敬 具

                  記

【送付書類】
1,エントリーシート 1部
1,履歴書      1部

                                   以上

送付状は、特に企業側から指定がない限り、手書きであってもパソコンであっても構いません。ただし、応募先の企業がパソコンスキルを求めている場合には、パソコンで作成すると最低限のパソコンスキルの証明ともなる可能性があります。

就活の挨拶状(送付状)の基本構成

就活の挨拶状(送付状)の基本構成は、次のとおりです。先ほど紹介した例文を参照しながら確認すると、イメージが湧きやすいのではないでしょうか?

日付

はじめに、日付を記載します。この日付は書類を発送する日を記載することが一般的です。

ただし、今日郵便局へ持っていくつもりで「5月15日」と書いたものの出しに行けず、5月18日に郵便局へ行ったなど1日や2日程度のズレであれば、さほど問題ではないでしょう。

宛先

次に、宛先を記載します。宛先となる会社名は、「(株)」や「(有)」などと略さず、「株式会社」や「有限会社」などと正しく記載してください。勝手に相手の社名を省略することは、失礼にあたります。

そして、相手先となる部署名や担当者名には、正しい敬称を付けましょう。「人事総務部」など部署宛てに送る場合の敬称は、「御中」です。もしくは、「人事総務部 採用ご担当者様」などとしても構いません。

一方、送付先として「人事総務部の田中さん」など担当者名まで指定されている場合には、「人事総務部 田中様」とします。

自分の情報

宛先より下の段に、自分の情報を記載します。自分がどこの誰であるのか、そしてどこに連絡をすれば連絡が取れるのかがわかるよう、明確に記載してください。

住所を書く場合には、マンションやアパート名と号室まで記載します。マンション名などが漏れていると、相手先企業がこの欄を参照して郵便物を送った場合に、届かない可能性があるためです。

タイトル

本題の前に、タイトルを記載します。タイトルは、「エントリーシート送付の件」や「選考応募書類の送付の件」など、相手が見たときに何を送ったのかが一目でわかるようなタイトルにすると良いでしょう。

頭語

本文のはじめに、頭語を記載します。頭語とは挨拶状のはじめに書く定型的な表現であり、「こんにちは」にあたるものです。

頭語にはシーンごとにさまざまなものがありますが、就活でエントリーシートなどを送る送付状では、「拝啓」が適切でしょう。

時候の挨拶

頭語に続けて、時候の挨拶を記載します。時候の挨拶とは、挨拶状を送る季節を表現するフレーズです。

時候の挨拶には、漢語調のものと口語調のものが存在します。それぞれ、次のような表現です。

  • 漢語調:「薫風の候」
  • 口語調:「風薫る季節となりました」

ビジネスシーンでは通常漢語調が用いられますので、就活の挨拶状では漢語調で記載すれば問題ないでしょう。

時候の挨拶は、挨拶状を送る時期に応じて適切な表現が異なります。主に使用される時候の挨拶は、それぞれ次のとおりです。

  • 1月:新春の候、初春の候など
  • 2月:立春の候、向春の候など
  • 3月:早春の候、春暖の候など
  • 4月:陽春の候、桜花の候など
  • 5月:薫風の候、新緑の候など
  • 6月:初夏の候、入梅の候など
  • 7月:盛夏の候、大暑の候など
  • 8月:残暑の候、晩夏の候など
  • 9月:初秋の候、秋涼の候など
  • 10月:菊花の候、錦秋の候など
  • 11月:晩秋の候、深秋の候など
  • 12月:初冬の候、歳末の候など

また、季節を問わずに使用できる「時下」という表現も存在します。この場合には、次の安否の挨拶とつなげて、「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」などと使用します。

安否の挨拶

時候の挨拶に続けて、安否の挨拶を記載します。企業向けに使える安否の挨拶には、次の表現などが存在します。

  • 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます
  • 貴社におかれましては益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます
  • 貴社におかれましてはますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
  • 貴社におかれましては益々御隆盛のこととお慶び申し上げます。

まず、「ますます」は、平仮名でも漢字でも構いません。その他には、「いよいよ」とする表現もよく使われます。

次の「ご清栄」や「ご盛栄」などの箇所は、いずれも企業の成功や発展を意味する表現です。この「ご」も、平仮名でも漢字でも構いません。

なお、個人宛の場合には「ご健勝」という表現がよく使われますが、これは健康に暮らすことを意味するため、企業宛には馴染まないでしょう。

本題

次に、本題に入ります。ここでは、書類を同封したことと面接の機会をもらいたいことを、簡潔に記載しましょう。

あくまでも送付状であり、ここに自己アピールなどを長々と記載することは適当ではありません。

結びの挨拶

本文の最後に、結びの挨拶を記載します。たとえば、「ご多用中誠に恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。」などです。

なお、「結びの挨拶」などと検索すると、「まずは略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます」などの表現が見つかることでしょう。

しかし、エントリーシートなどは企業側から送るように指定がされた上で送ることが多いうえ、送付状で「略儀ながら書中にて」などとするのはいささか場違いな印象が否めません。

結語

本文の締めに、結語を記載します。結語は頭語に対応するものであり、「さようなら」に相当するものです。

結語にもさまざまなバリエーションがありますが、使用をした頭語によって使用できる結語が決まります。頭語が「拝啓」であれば、結語は「敬具」や「敬白」としておくと良いでしょう。

記書き

次に、送付書類を記書きでまとめます。記書きは、必要事項を箇条書きとすることが基本です。記書きの最後は、「以上」で締めましょう。

就活の挨拶状(送付状)を送る際の注意点

就活の挨拶状(送付状)を作成する際には、次の点に注意しましょう。

注意点

・誤字脱字に注意する
・宛先を正確に記載する
・適切な敬称を使用する
・差出人を明記する
・自己PRなどを記載しない

誤字脱字に注意する

就活の挨拶状を作成する際には、誤字脱字に十分注意しましょう。作成時にパソコンの画面で確認することはもちろん、印刷をした後、送る前に再度チェックすることをおすすめします。

特に、相手の企業名や担当者の氏名などの誤りは、大変失礼です。先ほども触れたように、会社名は「(株)」などと勝手に略さず、正式に表記してください。

また、たとえば「齋藤」さんや「渡邊」さんなど漢字表記が複数パターンある名字の場合には、より注意して合っているかどうか確認しましょう。

なお、仮に印刷後に誤字脱字に気付いたら、必ず新たな用紙で作成し直してください。修正テープや二重線で訂正した状態で送ることはマナー違反です。

宛先を正確に記載する

就活の挨拶状(送付状)を送る際には、送付先を誤らないよう注意しましょう。特に、大きな会社では複数の部署があり、部署名の表記が漏れたり誤ったりすれば担当者のもとに届くまでに時間を要してしまいます。

就活で送る書類には、厳密な期限があることも少なくありません。宛先誤りにより不達となったり到着が遅れたりする事態を避けるため、宛先は何度も確認してから差し出しましょう。

適切な敬称を使用する

就活の挨拶状では、適切な敬称を使用しましょう。敬称の主な使い分けは、次のとおりです。

  • 様:個人名に付ける敬称。「挨拶状印刷株式会社 総務部 印刷花子様」のように企業内の個人名に付けるほか、担当者が不明な場合には「挨拶状印刷株式会社 総務部 採用ご担当者様」のように使うこともあります
  • 御中:団体に付ける敬称。「挨拶状印刷株式会社 御中」や、「挨拶状印刷株式会社 総務部 御中」のように使用します。

なお、「様」と「御中」は併記しません。たとえば、「挨拶状印刷株式会社 御中 印刷花子様」という表記は誤りです。この場合には、会社名の後の「御中」は必要ありません。

差出人を明記する

就活の挨拶状や送付状を送る際には、差出人を明記しましょう。差出人は上で紹介をした送付状に記載すべきことはもちろんのこと、差し出す封筒の裏面にも明記します。

なぜなら、相手が封筒を開ける前に誰からの郵便物であることが分かるほか、万が一住所誤りなどで不達となった場合の返送先となるためです。差出人の明記は、就活の挨拶状にかかわらず一般常識でもありますので、覚えておくと良いでしょう。

自己PRなどを記載しない

就活のエントリーシートなどに添える挨拶状(送付状)は、あくまでもエントリーシートなどを同封した旨を相手に伝えるものです。ここに自己PRなどを書くのは一般的ではなく、送付状に長々と自己PRなどを書けば相手をぎょっとさせてしまうかもしれません。

自己アピールは、所定のエントリーシートや履歴書のなかで行い、送付状には余分なことは記載しないように心がけましょう。

まとめ

就活では、エントリーシートや履歴書など書面を送付する機会が少なくありません。そのような際には、指定された書類のみを封筒に入れて送るのではなく、挨拶状(送付状)を添えて送りましょう。

就活の場面に限らず、大切な相手に書類などを送る際には、送付状を添えることが一つのマナーであるためです。

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