
新たに事務所や支社を開設しようとする際は、取引先などに挨拶状を送ると丁寧です。挨拶状を送ることで相手への敬意が伝わるほか、今後の取引につながる可能性もあるでしょう。
では、事務所や支社を開設する際の挨拶状には、どのような内容を記載すればよいのでしょうか?また、挨拶状の文面は、どのような構成で作成すればよいのでしょうか?今回は、事務所や支社を開設する際の挨拶状について基本的な事項を解説するとともに、ケース別の挨拶状の文例を紹介します。
なお、当サイト「挨拶状印刷.jp」では、さまざまなシーンで送る挨拶状の文例を数多く取り揃えており、事務所開設の挨拶状についても文例を用意しています。少ない手間でマナーに即した事務所・支社開設の挨拶状を送りたい際は、ぜひ「挨拶状印刷.jp」のサービスをご利用ください。

事務所・支社開設の挨拶状とは
事務所・支社開設の挨拶状とは、新たに事務所や支社を開設する旨を取引先などに伝える挨拶状です。
昨今ではさまざまな通信手段が発達しており、紙の挨拶状を送る機会は減っています。しかし、事務所や支社の開設など重要な局面では、あえて紙での挨拶状を送ることで相手の印象に残りやすくなり、相手を大切に想う気持ちが伝わりやすくなるでしょう。
とはいえ、日ごろから挨拶状に触れていないと、挨拶状を送ろうにも、適切な文面が思い浮かばないかもしれません。その際はぜひ、当サイト「挨拶状印刷.jp」をご活用ください。挨拶状印刷.jpでは挨拶状のテンプレートを用意しているため、事務所や支社開設の挨拶状が簡単に作成できます。

事務所・支社開設の挨拶状の基本
事務所・支社開設の挨拶状は、いつ誰に送ればよいのでしょうか?ここでは、事務所・支社開設の挨拶状について、基本的な事項を解説します。
誰に送る?
事務所や支社開設の挨拶状は、開設日の2週間前から1週間前頃を目安に送るのが基本です。
事務所や支店を開設する旨を知らせる挨拶状を送ると、相手方が開設日に合わせてお祝いの花などを手配してくれることがありますが、挨拶状の送付がギリギリになると、相手を慌てさせてしまう可能性があります。
いつ送る?
事務所・支社開設の挨拶状は、取引先に送るのが基本です。
事務所や支社開設は、自社が業務を拡大していることのアピールともなります。そのため、重要な取引先はもちろん、今後も取引を継続したい取引先や金融機関、仕入先などに積極的に送るとよいでしょう。事務所や支社の開設にあたって丁寧な挨拶状を送ることで、今後の取引につながる可能性も期待できます。

事務所・支社開設の挨拶状の基本構成
事務所・支社開設の挨拶状には、一定の「型」があります。ここでは、挨拶状の基本構成を解説します。後ほど紹介する文例と併せて確認すると、理解が深まりやすいでしょう。
- 頭語
- 時候の挨拶
- 安否の挨拶
- 事務所や支社を開設する旨
- 今後へ向けた簡単な抱負
- 結びの挨拶
- 結語
頭語
はじめに、「頭語」を記載します。頭語とは挨拶状のはじめに記載する定型的な文言です。もっとも一般的な頭語は、「拝啓」でしょう。
事務所や支社開設の挨拶状でも「拝啓」は使用できるものの、「謹啓」を使用することでよりかしこまった印象となります。
時候の挨拶
続けて、時候の挨拶を記載します。時候の挨拶とは季節を表す文言であり、挨拶状に季節感を添える役割を持ちます。
プライベートで送る手紙では「桜のころとなりましたが」など、口語調の時候の挨拶がよく用いられます。一方で、事務所や支社開設の挨拶状などビジネスシーンで送る挨拶状では、「桜花の候」や「桜花のみぎり」など漢語調の表現を用いることが一般的です。挨拶状を送る季節に応じて適切な表現が異なるため、定型的なフレーズを覚えておくとよいでしょう。
なお、ビジネス文書では年中使える時候の挨拶である「時下」が用いられることも少なくありません。この場合には、次の安否の挨拶と続けて、「時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」などと記載します。
安否の挨拶
時候の挨拶に続けて、安否の挨拶を記載します。安否の挨拶もある程度定型的であり、送付する相手が事業者である場合、相手の発展やビジネスの成功を意味する言葉が適切です。たとえば、次の表現などを用いることが多いでしょう。
- 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
- 貴社益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます
- 貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます
一方で、送付先が個人である場合には、次の表現などを用います。
- 〇〇様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
- 皆様ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
「ご健勝」とは健やかに過ごすことを意味し、「ご清祥」とは健康かつ幸福に暮らしていることを意味します。
また、安否の挨拶に続けて、「平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます」など、日ごろお世話になっているお礼を記載することも少なくありません。
事務所や支社を開設する旨
ここから、挨拶状の本題に入ります。
ここでは、事務所や支社を開設する旨を簡潔に記載しましょう。事務所などを開設することに加え、その事務所における業務の開始日についても記載するとよいでしょう。相手がお祝いの花などを手配してくれる場合には開設日に合わせて送ってくれることが多く、開設日の記載がなければ相手に無用な手間をかけさせてしまう可能性があるためです。
今後へ向けた簡単な抱負
事務所や支社開設の挨拶状では、開設する事務所や支社での業務に関する簡単な豊富を記載するとよいでしょう。「社員一同心を新たに誠心誠意努力する所存でございます」や「皆様のご期待にお応えすべく努力邁進してまいる所存でございます」など、前向きな内容とするのが基本です。
結びの挨拶
続けて、結びの挨拶を記載します。
ここでは、今後の変わらぬ指導のお願いなど、謙虚な内容を記載するとよいでしょう。たとえば、「今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」などです。
これとともに、「まずは略儀ながら書中にて御挨拶申し上げます」など、暑中での挨拶を詫びる一文を入れることも多いでしょう。
結語
最後に、「結語」を記載します。結語とは挨拶状の最後に記載する定型的な文言であり、頭語に対応するものです。
使用できる結語は使用した頭語によって異なるため、組み合わせを誤らないよう注意しましょう。主な組み合わせは、次のとおりです。
頭語 | 結語 |
---|---|
拝啓 | 敬具・敬白など |
謹啓 | 謹白・謹言など |

事務所・支社開設の挨拶状例文
事務所や支社の開設を知らせる挨拶状は、どのような文面とすればよいのでしょうか?最後に、ケースごとの挨拶状の文例を5つ紹介します。
新たに事務所(支社)を開設する場合の例文
企業が新たに事務所や支社を開設する場合の挨拶状例文は、次のとおりです。
謹啓 陽春の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます
さて このたび業務の拡張に伴い左記住所に〇〇支店を開設し 〇月〇日より業務を開始する運びとなりました
より一層皆様のご期待にお応えできるよう社員一同精励する所存でございますので
何卒倍旧の御支援御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中にて御挨拶申し上げます 謹 言
令和〇年4月吉日
支店や事務所を開設する旨とともに、今後に向けた簡単な決意を記載するとよいでしょう。なお、縦書きすることを前提に文中に「左記」と記載していますが、横書きとする場合には「下記」としてください。
事務所(支社)を建設し完成した場合の例文
企業が事務所や支社を新築し、完成した場合の挨拶状の例文は、次のとおりです。
謹啓 新緑の候 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
さて かねてより建設していた弊社〇〇支店の新社屋がこのほど無事に落成いたし 〇月〇日より業務を開始する運びとなりました
これもひとえに皆様のお力添えの賜物と深く感謝申し上げます
社員一同心を新たに誠心誠意努力する所存でございますので
何卒倍旧のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます 謹 白
令和〇年5月吉日
新社屋が落成した旨とともに、新社屋で業務を開始する日を記載します。併せて、新社屋が無事に完成したのは皆様のおかげである旨の文言を入れるなどして、感謝を伝えるとよいでしょう。
海外に事務所(支社)を開設する場合の例文
海外に事務所や支社を開設する場合における挨拶状の例文は、次のとおりです。
謹啓 入梅の候 貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
さて このたび海外における販路拡大を目指し 左記のとおりシンガポール支店を開設する運びとなりました
今後は現地スタッフとの密な連携により一層の業務充実に努めてまいる所存ですので
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
ますは略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます 謹 白
令和〇年6月吉日
進出することとなった国や支店の情報を記載するとともに、今後の変わらぬ指導などをお願いする一文を入れるとよいでしょう。
弁護士が事務所を開設する場合の例文
弁護士が、独立をして新たに事務所を開設する場合の挨拶状の例文は、次のとおりです。
謹啓 盛夏の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り 誠に有り難く厚く御礼申し上げます
さて 私儀
このたび 来る〇月〇日より左記にて〇〇弁護士事務所を開業することとなりました
これも偏に皆様方の御支援によるものと深く御礼申し上げます
皆様の御期待にお応えすべく努力邁進してまいる所存でございますので
何卒倍旧の御指導と御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます
略儀ながら書中をもちまして御挨拶申し上げます 謹 白
令和〇年7月吉日
事務所を開業することとなった旨を記載するとともに、期待に応えられるよう努力する旨などを記載するとよいでしょう。
なお、「さて、私儀」は「私ごとで恐縮ですが」とへりくだって伝える挨拶状特有の表現であり、横書きの場合は右端に、縦書きの場合は下方に記載するのが習わしとされています。
行政書士が事務所を開設する場合の例文
行政書士が独立をして事務所を開設する場合の挨拶状の例文は、次のとおりです。
謹啓 錦秋の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り 厚く御礼申し上げます
さて 私儀
このたび 来る〇月〇日より 左記にて〇〇行政書士事務所を開業することと相成りました
これも偏に皆様方によるご指導ご支援のお陰であると心より感謝申し上げます
今後は建設業許可業務を中心に皆様のご要望にお応えできるよう誠意努力してまいる所存ですので
何卒倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます
略儀ながら書中をもりましてご挨拶申し上げます 謹 白
令和〇年10月吉日
独立開業をする旨とともに、今後へ向けた簡単な抱負を記載します。行政書士は取扱業務の幅が非常に広いため、主要な取扱業務が決まっているのであれば、「建設業許可業務を中心に」や「自動車登録業務を中心に」など、その業務内容を記載することも検討するとよいでしょう。

まとめ
事務所や支社開設の挨拶状について基本を解説するとともに、ケース別の文例を紹介しました。
事務所や支社を開設する際は、取引先などに対して挨拶状を送るとよいでしょう。丁寧に挨拶状を送ることで相手に対する敬意が伝わり、今後のさらなる取引につながる効果も期待できます。昨今では挨拶状を送る機会が減っているからこそ、重要な局面で挨拶状を活用することで、相手の印象に残りやすくなるでしょう。
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