結婚の挨拶状の文例

結婚の挨拶状とは、結婚したことを相手へ知らせたり、結婚式に参列してくれたことへのお礼を伝えたりする書状です。

では、結婚の挨拶状は、送るべきなのでしょうか?また、送る際にはどのようなマナーに注意すれば良いのでしょうか?

今回は、結婚の挨拶状のマナーを解説するとともに、挨拶状の例文もシーン別に紹介します。

結婚の挨拶状は出すべき?

結婚の挨拶状とは、結婚したことを相手に伝える書状です。また、結婚式に参列してくれたことへのお礼を伝える目的で挨拶状を出す場合もあります。

最近ではSNSやEメールなどさまざまな連絡手段が発達しており、書面での挨拶状を送る機会は減っているかもしれません。しかし、お世話になっている相手や親族などに対しては、やはりきちんと書面で挨拶状を送ることが望ましいでしょう。

結婚という節目で手間をかけてきちんと挨拶状を送ることで、相手を大切に想う気持ちや感謝の想いがより伝わりやすくなるからです。

結婚の挨拶状はいつ送る?

結婚の挨拶状は、いつ送るべきなのでしょうか?挨拶状を送るタイミングは結婚式をした場合としていない場合とで、それぞれ次のとおりです。

なお、年賀状や暑中見舞いの時期と重なる場合には、年賀状や暑中見舞いを兼ねて送っても構いません。

ただし、喪中のため年始の挨拶を遠慮する喪中欠礼を兼ねて結婚の挨拶状を送ることは避けましょう。喪中の場合には、忌明け以降で結婚報告ハガキを送ることが一般的です。

結婚式をした場合

結婚式をした場合には、結婚式の後おおむね1ヶ月から2ヶ月以内に結婚の挨拶状を送ると良いでしょう。

結婚式へ参列した人へのお礼として送る他、身内のみで結婚式を済ませた場合にはその報告として送る場合もあります。

結婚式をしなかった場合

結婚式をしなかった場合には、入籍後1ヶ月から2ヶ月以内に結婚の挨拶状を送ると良いでしょう。

ただし、これに遅れてしまったからといって、送らない方が良いわけではありません。たとえ報告が遅くなったとしても、遅くなったことを詫びる一文を入れたうえで挨拶状を送ることをおすすめします。

結婚の挨拶状は誰に送る?

結婚の挨拶状を送る相手に、厳密な決まりがあるわけではありません。一般的には、次の人へ送ると良いでしょう。

  • 結婚式に招待したが来られなかった人:結婚式の報告を兼ねて送りましょう。
  • お祝いをくれた人:お礼を兼ねて挨拶状を送りましょう。内祝いに挨拶状を同封する場合もあります。
  • 結婚式に参列してくれた人:送らなくても構いませんが、参列のお礼を兼ねて送ると丁寧です。
  • 日頃お世話になっている人や親戚など:結婚式をしなかった場合や結婚式を身内などのみで挙げて相手を招待しなかった場合などには、結婚を報告する挨拶状を送りましょう。
  • 年賀状や暑中見舞いなどのみのやり取りがある相手:年賀状や暑中見舞いを兼ねて結婚の報告をすると良いでしょう。

結婚の挨拶状の例文

結婚の挨拶状は、弔事の挨拶状などとは異なり、さほど形式に注意しなければならないわけではありません。最近では、写真を大きく印刷したハガキで結婚の挨拶状を送るケースも増えています。

結婚の挨拶状における一般的な例文は、シーンごとに、それぞれ次のとおりです。

基本の文例

入籍したことを相手へ報告する基本の文例は、次のとおりです。

拝啓 薫風の候 皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
私たちは 〇月〇日に入籍いたしました
未熟な二人ですが 力を合わせて幸せな家庭を築いていきたいと思っております
今後とも変わらぬご指導の程 よろしくお願い申し上げます 敬具

令和4年5月
               挨拶 太郎
                  花子(旧姓 佐藤)

入籍したことを報告するとともに、今後どのような家庭を築いていきたいのか、想いを記載すると良いでしょう。

文例中の表現のほか、たとえば「二人で助け合って笑顔溢れる家庭を築いていきたいと思います」や、「夫婦で支え合いながら温かい家庭を築いていきたいと思っております」などです。

最後に、今後も引き続きお付き合い頂きたい旨を記載します。目上の方に送る場合には、文例で記載した「今後とも変わらぬご指導の程よろしくお願い申し上げます」のほか、「今後ともお力添えの程よろしくお願い申し上げます」などと記載すると良いでしょう。

結婚式への参列のお礼を兼ねた文例

結婚式を挙げた場合に、参列してくれた相手へのお礼として送る挨拶状の文例は、次のとおりです。

謹啓 春暖の候 〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
先日はご多用中のところ 私たちの結婚式へご出席くださったうえ披露宴では温かいご祝辞を賜り 誠にありがとうございました
〇〇様から頂いたお言葉を胸に ふたりで力を合わせて笑顔溢れる家庭を築いていきたいと思います
なにぶん至らぬ私どもですので 今後ともお力添えの程よろしくお願い申し上げます 
末筆ながら 〇〇様の健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます 謹白

令和4年4月
                                                                       挨拶 太郎
                      花子

結婚式へ参列してくれたお礼とともに、祝辞を頂いたことや受付をしてもらったこと、遠方から来てくれたことなど、送り先の相手への感謝の想いを記載します。祝辞の中で特に感銘を受けた部分や当日のエピソードなどがあれば、具体的に盛り込むとより想いが伝わるでしょう。

なお、文例は上司などへ送る前提の内容です。親しい相手であれば、もう少し砕けた内容で記載しても構いません。

たとえば、「〇〇さんが作ってくれたウェルカムボードのお陰で会場がとても華やかになって嬉しかったです 今も我が家のリビングに飾らせてもらっています」や、「久し振りにサークルのみんなが集まっていて懐かしいひとときでした 落ち着いたらまたみんなで飲みに行こう」などです。

入籍祝いのお礼を兼ねた文例

結婚式を挙げなかった場合において、入籍祝いをいただいたお礼とともに内祝いを送る際の文例は、次のとおりです。

拝啓 新緑の候 〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
このたびは 私たちの結婚に際し過分なお祝いを賜り誠に有り難うございました
お礼のしるしに心ばかりの品を送らせていただきますので ご笑納くだされば幸いです
未熟な二人ですが夫婦で力を合わせ 温かい家庭を築いていきたいと思います
今後とも変わらぬご指導の程 よろしくお願い申し上げます
末筆ながら 〇〇様の健康とご多幸を 心よりお祈り申し上げます 敬具

令和4年5月
                                                                       挨拶 太郎
                      花子

こちらではまず、頂いたお祝いに対するお礼を記載しましょう。また、お礼の後に実際に使用している旨などを記載すると、より想いが伝わるお礼状となるでしょう。

たとえば、ワイングラスを頂いたのであれば、「妻との週末の晩酌で さっそく使わせていただいております」などです。

また、内祝いを送ったのであれば、その旨を記載しましょう。「心ばかりの品」や「お礼の品」などと表現するとスマートな印象となります。

併せて、「温かい家庭を築いていきたいと思います」など今後の抱負や、目上の相手であれば今後もご指導願いたい旨などを記載しましょう。

身内のみで結婚式をした場合の文例

身内のみで結婚式をした場合において、結婚したことを参列者以外に報告する場合の挨拶状例文は、次のとおりです。

謹啓 向暑の候 皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
私たちは〇月〇日に親族のみでささやかに結婚式を挙げ 入籍いたしました
未熟な二人ではございますが 笑顔溢れる幸せな家庭を築いてまいる所存です
今後ともお力添えの程 よろしくお願い申し上げます  謹白

令和4年6月
               挨拶 太郎
                  花子(旧姓 佐藤)

身内のみで挙式を執り行ったことを報告するとともに、今後の結婚生活への抱負などを記載しましょう。

新居の案内を兼ねた文例

入籍とともに新居を構えたことを報告する場合の挨拶状の例文は、次のとおりです。

拝啓 秋涼の候 皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます
さて 私たちは〇月〇日に親族のみのささやかな結婚式を挙げ 入籍いたしました
新居を下記に構えましたので ご報告申し上げます
今後は二人で力を合わせ 幸せな家庭を築いていきたいと思っています
お近くにお越しの際は ぜひお立ち寄りくださいませ
これからも変わらぬご指導の程 よろしくお願い申し上げます 敬具

令和4年6月
                      (新住所)   
                  挨拶 太郎
                  花子(旧姓 佐藤)

新居の住所を記載するとともに、近くへ来られた際にはぜひ立ち寄って欲しい旨を記載すると良いでしょう。

コロナ禍で結婚式が延期になったことを知らせる文例

コロナ禍においては、感染拡大の状況により、予定していた結婚式を延期する場合もあるかと思います。結婚式への出席を予定してくれていた相手に対し、延期を伝える場合の文例は次のとおりです。

謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
先般ご案内申し上げました私どもの挙式に関しまして 新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑み やむなく延期させていただくこととなりました
ご出席をご予定いただいておりました皆様には大変ご迷惑をお掛けしますことを 心よりお詫び申し上げます
日取りが決まりましたら改めてご連絡いたしますので
その節はぜひご臨席いただけましたら幸甚です  謹白

令和4年5月
                                                                       挨拶 太郎
                      佐藤 花子

結婚式を延期することになった旨を明記するとともに、今後の予定が決まったら改めて連絡する旨を記載しましょう。

コロナ禍で結婚式が中止になったことを知らせる文例

コロナ禍で、やむなく結婚式の中止を決断する場合もあるでしょう。その場合に送る挨拶状の文例は、次のとおりです。

謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
先般ご案内申し上げました私どもの挙式に関しまして 新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑み やむなく中止させていただくこととなりました
ご出席をご予定いただいておりました皆様には大変ご迷惑をお掛けしますことを 心よりお詫び申し上げます
今後とも何卒変わらぬご厚情を賜りますよう お願い申し上げます 謹白

令和4年5月
                                                                       挨拶 太郎
                      佐藤 花子

結婚式を中止することになった旨を明記し、予定いただいていた式を中止することについてのお詫びを記載しましょう。

結婚の挨拶状の基本マナー:本文編

結婚式の挨拶状を作成する際には、次のマナーに注意しましょう。まずは、本文について注意すべきマナーを紹介します。

句読点は使用しない

結婚式の挨拶状に限らず、挨拶状では句読点を使用しないことが基本のマナーであるとされています。なぜなら、句読点は文章を区切る役割を持つことから「縁を切る」ことを連想させ、縁起が悪いとされているためです。

頭語と結語を記載する

挨拶状はいきなり本文から書き始めるのではなく、頭語から始めて結語で締めるのが基本であるとされています。

代表的な頭語には「拝啓」があり、結婚式の挨拶状でも「拝啓」を使用すれば、基本的には問題ありません。

ただし、「謹啓」のほうがよりかしこまった表現です。そのため、目上の相手へ送る場合などより相手への敬意を表したい際には、「謹啓」を使用すると良いでしょう。

一方、使用することができる結語は、使用した頭語によって決まります。たとえば、頭語に「拝啓」を使用した場合に使える結語は「敬具」などであり、頭語が「謹啓」であれば結語は「謹白」や「謹言」などです。頭語と結語については、基本の組み合わせを覚えておくと良いでしょう。

なお、「前略」という頭語も存在しますが、これは次で解説をする時候の挨拶を省略する際に使う頭語であり、原則として親しい相手以外には使用しません。目上の相手へ送る結婚の挨拶状で「前略」を使用しないよう、注意しましょう。

時候の挨拶を記載する

時候の挨拶とは、季節を表すフレーズとともに、相手の健康や幸せを願う文言です。たとえば、「新緑の候 〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」「秋涼の候 皆様ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などの表現です。

この、「新緑」や「秋涼」の部分には、挨拶状を送る季節に沿った言葉を入れましょう。たとえば、次のような言葉です。

  • 1月:初春
  • 2月:立春
  • 3月:春暖
  • 4月:陽春
  • 5月:新緑
  • 6月:向暑
  • 7月:盛夏
  • 8月:残暑
  • 9月:初秋
  • 10月:秋涼
  • 11月:晩秋
  • 12月:師走

なお、季節を問わずに使えるフレーズとして、「時下」があります。「時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などと使用します。

そして、「ご清祥」とは、相手が幸せに暮らすことを意味する言葉です。挨拶状が個人宛の場合には、ほかに相手の健康を願う「ご健勝」という表現もよく使用されます。

一方、「ご隆昌」や「ご隆盛」などは相手の成功を願う文言であり法人など事業者宛にはよく使用されますが、商売を営んでいるわけではない個人宛には、適切ではないでしょう。

忌み言葉に注意する

挨拶状を送る際には、忌み言葉に注意しましょう。忌み言葉とは、その場面では縁起が悪いとして避けるべきとされる言葉のことです。

結婚にまつわる場面では、次の言葉が忌み言葉とされています。

  • 夫婦の別れを連想させる言葉:「別れる」「離れる」「ほどける」「終わる」など
  • 不幸を連想させる言葉:「去る」「壊れる」「落ちる」など
  • 出戻りや再婚(=夫婦の別れ)を連想させる言葉:「繰り返す」「再び」「重ね重ね」など

なお、これらの言葉に特に注意するべきなのは結婚をした当人ではなく、結婚式でのスピーチや結婚のお祝いを送る際の挨拶状など、結婚のお祝いをする立場の人です。

しかし、結婚をした側から送る挨拶状においてもこれらの言葉を使ってしまえば相手に違和感を与えてしまう可能性がありますので、できれば避けた方が良いでしょう。

結婚の挨拶状の基本マナー:宛名編

結婚の挨拶状を送る際には、宛名の記載などにも注意が必要です。主な注意点は、次のとおりです。

誤字脱字に注意する

結婚の挨拶状に限らず、挨拶状や手紙を送る際には、誤字脱字に注意しましょう。特に、相手の氏名などの間違いは大変失礼にあたります。

たとえば、「齊藤」さんや「渡邊」さんなどは同じ読みでも複数の似た漢字がありますので、正しい字をよく確認してから記載してください。

また、相手が引越しをしている場合などには、古い住所に送ってしまわないよう注意しましょう。古い住所に送ってしまえば、せっかく送った挨拶状が相手のもとへ届かずに戻ってきてしまうかもしれません。

なお、万が一誤字脱字をしてしまったら、たとえ面倒であっても新しい用紙で作成し直すようにしてください。修正テープや二重線で訂正した状態で挨拶状を送ることは、マナー違反です。

適切な敬称を使用する

挨拶状を送る際には、適切な敬称を使用しましょう。個人宛に送る挨拶状で使用する敬称は、「様」もしくは「先生」の二択となります。

相手が恩師である場合や、弁護士などの士業である場合などには「先生」が適切です。

それ以外の場合には、「様」を使用すれば問題ないでしょう。

なお、幼稚園児など幼いお子様などに送る場合には、「ちゃん」や「くん」を使用しても問題ありません。

また、夫婦宛に送る場合など挨拶状の宛名が複数となる場合には、敬称は必ずそれぞれの名前に付けるようにしてください。2名に宛てに送るにもかかわらず、まとめて1つの「様」のみを書くことは適切ではありません。

差出人の旧姓を併記する

特に入籍したことをはじめて相手に伝える挨拶状では、結婚によって名字が変わった側については、旧姓を併記しましょう。旧姓の記載がなければ、相手が誰から届いた挨拶状なのかと悩んでしまう可能性があるためです。

慶事用切手を貼るとベター

結婚の挨拶状には、通常の切手を貼っても構いません。しかし、慶事用の切手を使用すると、よりきちんとした印象となります。

なお、通常の切手はコンビニエンスストアなどでも購入できることが多い一方で、慶事用切手までは取り扱っていないことが少なくありません。そのため、慶事用切手は郵便局で購入すると良いでしょう。

まとめ

結婚したら、お世話になっている相手などに挨拶状を送りましょう。Eメールなど便利な通信手段は増えている昨今ですが、あえて挨拶状を送ることで、より相手を大切にする想いなどが伝わりやすくなります。

そして、結婚の挨拶状を作成する際には、テンプレートの活用がおすすめです。テンプレートをもとに作成することで、マナーに沿った挨拶状を簡単に作成することが可能です。 当サイト「挨拶状印刷.jp」では、結婚の挨拶状のテンプレートを多数ご用意しております。結婚の挨拶状を送る際には、ぜひ挨拶状印刷.jpをご利用ください。